Disce libens

研究にあまり関係しない雑記

学振研究員が授業料を全額払うよう命じられて死にそうになってる話

 

 

 こういうブログの使い方をしたことはないですが、感情が収まらないので書きます。書いたら多少は冷静になることを期待してやってみます。

 

 文章がグダグダなので言うまでもなくわかることでしょうが、冷静な分析などではなく、単なる悲鳴と思って見てもらえると嬉しいです。

 

 

 まずは私の状況から

 

 所属は東大法研 D1 学振DC1研究員、で実家暮らし(都内)という状況です。

 

 家族構成は自分の他に父(会社員)母(専業主婦)妹(新入社員)がいるといったものです。

 

 

 私の修士時代は授業料は学生支援機構の奨学金でカバーしつつ、生活費を週三日のバイトで賄い、ご飯は親に出してもらうといった状況で過ごしてきました。博士の入学金などもあり、その間にできた貯金はほぼ0です。奨学金については先日全額の返還免除が決定しています。

 いちおう免除の参考になった修士までの業績は論文3(日本語2英語1)、国際報告2,国内報告3,翻訳1,DC1獲得, TA2, RA, GPAほぼ4.0といった感じになります。

 

 現在は生活費そのほかの費用は、学振の研究奨励金(20万に届かないくらい)を用いて全額自費で賄っています。それと後述するような理由もあり、多少家にお金を入れているという状況です。

 

 そのような状況の中で、七月の最後の日に授業料免除が一切なされないという通知を知ることになりました。正直いって頭を抱える事態に陥っていますし、理不尽さに憤りを感じています。

 

 学振研究員一月あたりの固定出費を考えてみると、健康保険料約2万、国民年金もだいたい同額、携帯代は5000円程度はかかります(最後のは実費ではありません。自分は節約のためにも研究に集中するためにもスマホを契約していないので、これより1500円は安いです)。これにさらに移動費用は1万円ほどを見積もる必要があるので(コロナで現状はここまで必要ありませんが)、これだけで5.5万円かかります。

 

 (以下のブログも参考にすると、2年前以降の住民税などを考慮する必要もあるかもしれません https://kenyu-life.com/2018/09/23/hakase_life/)

 

 それに加えて授業料を全額払うことになると、だいたい53/12で4.4万はかかることになります。

 

 この時点で、食費だとかのそのほかの生活費は一切計算に入れずにほぼ10万円のお金がなくなります。上述した住民税を考えると11万円でしょうか。

 

 これは授業料免除申請の際にも記入しましたが、母が重い病気を患って医療費がばかにならないこともあり、家に数万のお金を入れるようにしており、以前の10万円の 定額給付金も家に入れることにしていました。

 

 ここから残るお金でやりくりして生活しろということになる訳ですが、どうやって生活すればいいのでしょうか?

 

 学振研究員にとって残額は8万円弱ということになり、自分はそこからさらに数万減ることになります。ここからもろもろのお金を出すことになりますが、自分の生活では1万円余らせることも難しい状況です。もしかしたらほかの方はうまくやりくりできるのかもしれませんが、生活レベルを異様に落とした状態で自分は研究に専念できません。快適な勉強場所(現在コロナで研究室が使えないため、ファミレスなどを利用することが多いです)、良好な栄養状態、定期的な運動、筋トレの費用は絶対に外すことができません。

 

 

 

 今年度中に実家を出る予定を立てていましたが、このような収支の状況だと、引っ越し費用を貯めることもできません。家具も考慮すると最低でも40万は必要のはずですが、食事も何も食べず残りのお金を全て貯金したとしても、あと6ヶ月はかかるということになります。まず不可能ですね

 

 確かに額面上は親の収入には余裕がありますが、上掲した事情もあり、コロナで収入の減少も見込まれるなかで、わざわざ私にお金を回す義理も余裕もないですし、私としてもそれを想定していません。

 それに対して、大学の授業料免除に関する決定は博士学生に対する実家の負担を前提にしているような気がしてならないのですが、その前提は正しいのでしょうか?そもそも博士学生にもなって授業料免除申請に際して親の収入を記入しなければならないことの理由がよくわかりません。

 

 現状光熱費、家賃の負担がないからそれでもいいのではないかということなのかもしれませんが、逆にそれを負担しないと行けなくなった時にも同様の授業料支払いを命じられたら絶対に払えませんし、免除申請が却下された理由も説明されてない以上、実家から離れたからといってそうならない保証は全くありません。(そもそも今の収支で引っ越し費用を貯めることができず、現状から抜け出せないような気もしていますが)

 

 今回の件は前期分の約26万の支払いの関わる問題ですが、そもそもの大学や若手研究者支援の制度設計が、そこにいる人間が普通の生活を営めるようになされていないのではないかという悲惨な想像を衝撃を受けた自分にもたらしているので、単に現状の支払いだけではなくて、もっと長いスパンにおける苦痛を感じさせるという点で自分の心に重くのしかかっています。

 

 学振に通った時や、院試に通った時、奨学金が返還免除になった時、自分はとっても嬉しかったですし、恵まれているなあと思っていましたが、それだけ恵まれていても悲惨な未来しか想像できないような環境にいるということになるのですかね。

 

せめて来学期は半分でも免除されるといいですが、とくに状況も変わらない以上全く期待できません。これまで研究や勉強が好きだったし、ずっと続けていきたいと思っていましたが、想像以上に打ちのめされていて(まるで犬ころ扱いだという気持ちになっています。とても悲しい)、アカデミアからの退出も視野に入れています。

 

がんばっても運が良くてもこんなことになるなんて思ってもいませんでした。自分の信じていた公正さとか尊厳だとかが崩れ落ちる音が頭の中で響いています。ひとまず早く消化して研究に戻れる精神状態を作りたいです。

 

 追記

 

 今学期は諸々の事情がありTARAは取れませんでしたが来学期からは特別に取れるかもしれないのでそれに賭けてみます。現状独立生計になることはちょっと無理ですが。

 

 書籍代については研究員に支給される研究費(生活費には回せません)でカバーするようにしています。

 

 コロナによる収入源は学振研究員にはないと言われていますが、コロナで収入源になった人を優先的に授業料免除していて、その割りを食って免除されなくなっているとすれば実質的に収入源の憂き目にあっていますよね。パラドックスめいてますが。。。。。

 

 

8/1 さらに追記

  コメント申請に生活費除いて8万も残るとは驚きだとの「大学関係者」からのコメントがやってきてびっくりしました。生活費は入れずにとわざわざ書いても読み取れないことがあるようなので再度ここに記しておきます。それに加えて実家へ部屋光熱費代わりのお金も入れるので結局月六万くらいが生活費などに充てられる総額になります。

 

 

 自分は恵まれているし、運がいいのは自覚しており、それを踏まえた上で述べるが、といった趣旨のことは書いたつもりですが、贅沢すぎる、我慢しろ、恵まれている方ではといったコメントもたくさんきて不思議です。逆にその説明を傲慢さだと受け取る人もいるのでまあ角の立たない書き方は不可能なのでしょうが。